村上春樹氏:「1Q84」を語る 「来夏めどに第3部」 – 毎日jp(毎日新聞).

やはり、です。出版されるようですね。第三部が。来年初夏となると、私の中では相当早いなー、というのが実感です。

緊急の解説本が出たり、ブログや雑誌が様々な特集を組んだけど、やっぱりハルキチは「批評のたぐいは全く読んでいない」のだそうです。何かを恐れずになしとげるには、外部の情報を遮断する時期というのも必要なのでしょう。

本人曰く「リトル・ピープルとは何かについて」見定める必要がある、と。つまり自分でもなんだか分からないのでしょう。そういう感覚って非常に分かります。

最初から分かっているものを何年にもわたって執筆できるものではないですよね。だから、読者としても判断をずーと留保しておくのがいいのじゃないかな。早急に「リトル・ピープルとはこれだー」とか決めてしまわないでさ。

ポイントとしては、

1.ドラマツルギーの中でのピストルの役割。
つまり果たして、青豆が生き残ったとして、天呉には会えるのか。会えない場合、

2.天呉は自分が生き残ったことについて、それは青豆が犠牲を払った結果であるという事実を知ることができるのか。つまり月が二つある風景はそのままなのか。1984には戻ってこれるのか。

東山魁夷「二つの月」

東山魁夷「二つの月」



などなど、です。

特に注目したいのは「羊をめぐる冒険」や「ねじまき鳥」から続く悪の系譜です。

牛河がエージェントとなってその姿をおぼろげながら現す戦前、戦中、そして戦後の負の記憶。

ねじまき鳥において、いままで無垢な一個人であった主人公がバットを持ってギターの男に暴力をふるったように、「劇的な価値の転換」が待ち受けているように思います。宮脇家の枯れてしまった井戸に入るように、天呉はどこかで暴力をふるう必要がある。

あるいは、柔道をやっているところから受け身的なパシヴァらしい行為をなすのかも。そうしないと負の記憶(リトル・ピープル的なもの)に対抗できないですからね。

とと、何のことを言っているのか不明な方はメールやコメントなどでご質問ください。

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日付:2010/04/06 00:18

1Q84 感想

2009.11.16



待ちに待った春樹の新作。至福の時。1Q84につきましては、大変ブログへの反響が大きいので、メモを取っていきたいと思います。

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日付:2009/11/16 00:44

「何かにたっぷりと時間をかけるのは最も洗練された形での復讐

というフレーズをご存じでしょうか。これは村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」という小説にでてくる一節です。

なんども読み返した小説なのですが、このフレーズは「これでもか」というくらいの赤線が引かれています。気になった文章はごりごりと色鉛筆で線を引く習慣があるのです。

どういう意味なのでしょうね。復讐、という言葉が強烈で妙に印象に残ります。

21世紀に生きる我々は、「早さ」という概念に対して変更を迫られている気がします。早く作っても、早く処理しても、その結果が雑であれば見向きもされない、ということです。

なぜか。たくさんものがあふれるようになって、生産過剰になっているからです。

私は小さい頃から要領がいい方で、自分で言うのもなんですが、ものごとに対しての飲み込みの早いほうでした。しかし、何でも早く雑にこなしてしまう癖がついているせいで、技術が深まっていかない、という重大な欠点を持っています。
合気道の稽古では、この器用貧乏が徒になります。雑にこなしているうちにうまくなるだろう、という頭でやってきたのですが、やはりそうはなりません。とにかく早く、雑にこなしているうちにだんだんと下手になっていく、という現象が起こるのです。ここで、大きな転換が期待されているのは言うまでもありません。

時間をかける。ゆっくりと丁寧にやる。丁寧に物事に当たるとき、それが成就するとき確かに不適な、不遜な気持ちになることがあります。

「これだけ時間をかけて、しっかりとやるべきことをやった。誰にも邪魔されなかった。ざまあ見ろ」。

さて、誰に対して復讐した気になるのでしょうか。

物語が始まる以前まで遡って、「物語が始まる起源」を探る。そのためには当然今の物語の外へでる必要がある。外へ出るためには、場所が必要となる。自分の井戸を見付ける。

バガボンドでも、小次郎は言葉をしゃべりません。それは自分の起源を探り、外から物語を語るための方便なのでしょうか。

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日付:2009/11/07 00:04

モーニングに「バガボンド」という漫画が掲載されています。

言わずと知れた井上雄彦氏による宮本武蔵の物語です。

この漫画を立ち読みしていて「ついに来たか」と独り合点したことがありますので、まとめます。
以前内田樹先生のブログを読んでいたところ、井上雅彦さんと会う、という記事(5月22日)がありました。当然合気道の話になり、現代に生きている武道家達が何を考えているのか、という話題になったのだと思います。

ねじらない・ひねらない・前未来形で時間を先取りするなどなど、おそらく古の武術の叡智が語られたのだと推測していました。そこでお話されたことが、今後のバガボンドにきっと影響を及ぼすだろうと考えていたのです。

そして内田樹先生は、甲野善紀さんともお知り合いで、技に関するお話の中では甲野先生が体現されている部分がきっとお話に上がって居るんだろうと推測していました。

沢庵 宗彭が怪我をして再起不能になりつつある武蔵に向かって一言。

「いいか武蔵、天命は完璧に決まっていて同時に自由なんだ」。

びっくりしました。これは長年甲野先生がおっしゃっている人生観です。

甲野先生と井上先生との間にどんなやりとりがあったか全く知りませんが、今後の漫画の動向にとてつもないインパクトを与える台詞になると考えています。

また「偶然のチカラ」(植島啓司著)を読みました。

「いいことが目に見えてくると、それから「いいことの連鎖」が始まることになる。そのきっかけを見逃さないことだ。それがもっとも大きなポイントである」

これは村上春樹の「いいことはいつも小さい声で語られる」ということと似ています。バーの経営理論を述べるところですね。誰にでも分かる小さなことから始めていく、ということですね。

一人の人が言っているだけだとなんなくそうかな、と思いますが、二人目の人がいると認識が変わってきます。きっとそうなんだろうな、と。

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日付:2009/08/12 13:52

レイモンド・チャンドラーのロング・グッドバイを村上春樹訳で読み合わせをしています。

興味深い翻訳メモです。

原文:p78
I don’t mean anything crude like a wad of dough.

翻訳:p95
なにも分厚い札束が行き交うとか、そんなあからさまな話をしているんじゃない。
wad of dough.

パン生地の固まり、というのが現生ということになるわけですな。

直訳:現生の束(が行き交う)といったような、粗雑な話をしている訳ではない。
意訳:つまり、現金がいきかうわけではなく、なんとなくほのめかすだけで事件を闇に葬り去ってしまうほどの影響力をもつ人物がいる、のをほのめかしているわけです。

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日付:2009/07/01 00:59

決まりました。日本代表。苦しい展開が続きましたが、ひとまず最速で出場が決定です。

おめでとう。そしてありがとう。

なぜありがとう、なのか。
それは、やっぱり元気をもらえるからですよね。

村上春樹の1Q84のモチーフになっています。父権の喪失した世界。

9.11からこっち、やはり今の世界で絶対的に正しいとか、絶対的に善なるものってないですよね。
個人がどれだけ自分の周りのコミュニティーを居心地いいものにしていけるのか。
身近で確実、小さな幸福を積み上げていくことが、邪悪な何かを崖っぷちで阻止する。

困った時にはその道のプロへ


こちらこそ、身近なプロの方々にはいつも助けられています。

これから一年間はサッカーという饗宴を楽しむことができることに感謝して。おやすみなさい。

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日付:2009/06/07 01:17

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